別に洗ってもいいんだけどね。
必要ないしさ。
俺は白い棚から白いタオルを取り出し、濡れている髪の毛を拭きながら、携帯を操作していた。
『どうせ女からだろ』と思いながら受信ボックスを開く。
『え…』
女は女でもわけが違う。差出人は、綾音からだった。
たちまち俺の心臓は激しく揺れる。
《今日は驚いちゃった。竜也君の友達って怜のことだったんだね。これからもよろしくね!》
綾音から送られてきたメールはこうだった。
嬉しいのだけど、なんだろう?
素直に喜べない自分がいて…苦しい。
まるで食べ物が喉に詰まった感じ。
スッキリしない。
その理由はきっとこうだろう。
《これからもよろしくね!》という言葉。
その意味は、これから私たちをよろしくね!という意味だからだろう。
よろしく…されたくない。
素直に、出来ない自分がいる。