宿題は自分の為でしょうが、とは言えない。

言ってもどうせ、反論されるから。

「ご主人様が使用人に何かねだってはいけませんよ。そもそもお給料は週払いの銀行振り込みなので、今は手持ちがありません」

「誰がお前の金なんてあてにするか! お金じゃなくて、お前が何かしてくれよ」

踏ん反りがえり、えらそうに命令してくる。

自分ができること…何だろう?

格闘技は得意だけど、彼にとっては興味もないことだろう。

「アタシがお坊ちゃんにできることですか」

「ああ、何だっていいよ。することはお前に任せるから」

人を試すようなことをやりおってからに。

…少し懲らしめる必要があるな。

アタシはお坊ちゃんの目の前まで歩き、跪いた。

「何? 足にキスでもしてくれるの?」