しかし彼は全てを本当に終わらせていた。

これなら大丈夫だろう。

「お疲れ様です。今、何か甘い物でもお持ちしますね」

頭を使った後は、甘い物を取った方が良いだろう。

「あっ、待った」

しかし部屋を出て行こうとしたアタシを、彼は呼び止めた。

「はい? 何でしょう?」

甘い物のリクエストかな?と思っていると、彼はニヤッと笑った。

…この悪魔の笑みはマズイな。

何かよからぬことを考えている顔だ。

しかしアタシは心境を悟られぬよう、ポーカーフェイスを続ける。

「ご褒美、ちょうだいよ」

そう言って手を差し出してきた。

「ですから今、甘い物を…」

「それとは別! ボクはお前の願いを叶えたんだよ! 何かくれたっていいじゃない」