徐々に小悪魔的…いや、魔王クラスの意地の悪さを出してきた。

とんでもないイタズラ小僧。

おかげでアタシ一人が日々、このお坊ちゃんの相手をすることになった。

何故アタシ一人だけが残っているのかと言うと、実家が武道の道場をやっており、一通りの格闘技を身に付けていた。

おかげで運動神経と、心は強い。

なのでお坊ちゃんの仕掛けるイタズラも、イジワルな物言いもへっちゃらなのだ。

「お坊ちゃん、そろそろ宿題をなさった方がよろしいのでは?」

「メンドイ。お前、やっといてよ」

今日も今日でふてぶてしい態度。

アフターヌーンセットをベランダで食しているお坊ちゃんは、機嫌が悪い。

彼の両親は仕事が忙しく、滅多に日本にすら帰って来れない。

周囲の人間はそれを気遣って、彼を甘やかして育てたんだろうな。