自殺する私は、男の子によって遮られた。


男の子は急いでいたようで、うっすらと汗をかき、肩で息をしていた。


見た目から私より年上っぽい。

黒髪に白のメッシュいり。


「なにしてるの?」

この建物は人気があまりなかったから、こんなとこでなにしてるんだろうと
素直な疑問をぶつけた。


男の子は私を睨んだ。


「お前こそなにやってんだよ!!!!」

すっごく怒ってる。

他人なのに。


「…自殺。」

聞こえるか聞こえないかの声で言った。


「お前、馬鹿だろ!!何があったか知らねぇけど、死ぬなんて馬鹿なことすんじゃねぇよ!!!!」


「え…?」



なんでだろう
怒られてるのに

嬉しかった。

怒られるのが好きなわけじゃない。

むしろ嫌だ。


「自殺なんて意味ねぇんだよ」



これが私と君との出会いでした。


この時から既に、私は惹かれていたのかもしれない。





坂城慎 に…