5年前、兄が死んだ。

なんでもできる、自慢の兄。

私は何をやっても駄目。
そんな私を、兄は優しくしてくれた。

勿論親は、兄のほうが好きで、私は邪魔者扱いされた。


学校もずっとサボり、家にはあまり帰らない。

帰ったところで、邪魔者扱いされるだけだ。


「暇……暇…」


と、ぶらついてる私の前に、スッゴく高い建物があった。


「……」


単に好奇心。

エレベーターに乗り、屋上まで行く。

12階たて。


「わぁー涼しいぃ〜」


屋上は、気持ち良い風が吹いてる。


上から見るまちは、明かりが綺麗で、人が小さくみえる。

何時までも、みときたくなった。


一番前にいき、両手を広げる。


「なんか、私偉い人みたい…」


私が自殺したら、お母さんなんて思うかな。


何にも、思わないよね…


自分で思って、悲しくなった。


「…ばい、ばい」

覚悟を決めて、体の力を抜く。

その時


「てめぇなにやってんだよ!!!!」



「っわぁっ?!」




落ちるはずの私の体は、屋上の上にいた。


横には、男の子が。