「陽菜。
私、教室で待ってるね」
「うん…
ありがと…」
「ファイトっ」
「…うん」
ガッツポーズをする栞に、力のない笑みを見せて、教室を出た。
居候が終わってからは、自分の家に帰るため、家が近い栞と一緒に下校するのに戻った。
栞が待ってるし!
早く終わらせよ~っ!!
「よしっ!!
やるぞ~!!」
無人の廊下で声を上げて、一人ガッツポーズをした。
…よし!
気合い入った!
一人で満足したつもりだった。
まさかこれを見ていた人がいるなんて…
「ぷっ」
「………っ!!?」
近くの教室から聞こえた笑い声。
無人だと思っていたから、心臓が飛び出すんじゃないかってくらいびっくりした。
「…なに気合い入れてんの?」
「あのっ!
これ見なかったことに…て、えぇっ!!?」
教室に向かって勢い良く頭を下げて、上げたら…
「な…ななななるっ!?」
「名前になってねぇし」
笑いながら、寄って来るのは…
そう、まさかの成弥だった…
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