「遅いじゃん~」

「あれれ?
今日は陽菜ちゃんも一緒?」



自習室には、すでに賢君と廉君がいた。



「あのさ~…成弥」

「ん?」

「いつまで桜木ちゃんに手置いてる気なの?」

「…あぁ、悪ぃ」



恭平君に言われて、私の肩から手を離した成弥。


成弥の手が離れてからも、私の肩はまだ熱く感じる。



「何かあったの?」

「ぷぷぷっ
陽菜ちゃん茹蛸みたい~」

「ゆっ茹蛸!?」



嘘!?

そんなに顔赤い!?


慌てて両手を顔にくっつけると、成弥が笑った。


ドキッ

ますます私の顔が熱くなる…

私の顔、早く涼まれ~っ!!



「あ、陽菜」

「は…はい!!」

「…さっきのこと、深い意味で捉えるなよ」

「へ…?
さっき?」



“俺の大事な人だから”


…あぁぁぁ!!



「あれは、その…
流れっつーか、その場しのぎみたいな奴だから…」

「素直になりなよ、成弥君?」

「殺すぞ、恭平」

「きゃ~
助けて、桜木ちゃんっ」



…え?

あれ?

あれれ?


成弥…顔赤い…?


恭平君と話している成弥の顔は、赤く染まっていた。



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