「行くぞ」

「あっ、うん…」



成弥の手は、まだ私の肩の上にあった。


触れられている所が熱い…

そこだけ熱を帯びている感じがした。



「…成弥っ」

「……………」

「その子、成弥の何なの?」



先輩の言葉に、成弥は笑った。


“椿谷君”の笑みでも…

意地悪な笑みでもなくて…

なんだか優しい笑みを向けられた。



「俺の大事な人だから」

「…成弥?」

「もう行くぞ」

「あ…うん…」



成弥に肩を押され、私は先輩達を気にしながらも歩きだした。

途中で、成弥は足を止めて振り返った。



「俺、もう遊ばねぇから」



その一言を残して、私と成弥と恭平君の3人は、いつもの場所へ行った。



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