「桜木ちゃん…大丈夫?」
恭平君の言葉に頷いた。
それより、神崎さんが…
「もうコイツに手ぇ出すな。
他の奴らにも言っとけ」
「へ?」
突然、成弥に肩を寄せられて驚いた。
ドキドキ…
成弥…近いよ…っ
「文句ある奴は、直接俺に来い。
女だろうが、陽菜に触れたら許さねぇからな?」
「……………」
先輩、そして、神崎さんも成弥の言葉に耳を澄ましていた。
「あと、神崎。
俺はお前の彼氏じゃねぇ。
変な噂広めるな」
「…でも…っ
じゃあ、私ばらすからね!
その子の立場がどうなっても知らないからっ」
「あ、神崎っ」
神崎さんはそう叫ぶと、走って去って行った。
…神崎さん、泣いてた…
神崎さんがいた方を見ていると、成弥の手に少しだけ力が入った。
神崎さんのように、痛いわけじゃない…
また、だ…
大切な物をしっかりと離さないように…
私は、そんな感覚に陥った。
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