「桜木ちゃん!!」



恭平君も駆け寄って来てくれて、心配そうに私を見た。

成弥は睨んだままだった。


先輩も神崎さんも、俯いていた。

すぐに、神崎さんだけが顔を上げた。



「…どうして…?」

「はぁ?」

「どうして、その子を庇うの!?
その子、何もされてないじゃない…っ
私は叩かれたのよ!?」

「………じゃあなんで、陽菜が叩かれそうになったんだ?」

「それは……っ」



言葉を濁すように、神崎さんは下を向いた。



「…私…成弥君の彼女じゃん…」

「…記憶にねぇけど」

「……っ!!
嘘よ!私は成弥君の彼女でしょ!」

「お前が勝手に脅して来たんだろ?
俺は承諾した覚えはない」

「………っ」



なんか…

話がすごい方向に…


私は成弥が怖くて、成弥の顔を見ることができなかった。



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