「…陽菜」

「なぁに…?」

「半分貸せよ、重いだろ?」

「あ、りがと…」



成弥は、私の持っている束を半分取って、自分の持つ束に重ねた。

一気に重みを半減した束は、さっきよりもずっと軽かった。


行きも半分持って欲しかったなぁ…

なんて、口が裂けても言えない。




結局、私達が話したのはこれだけで…


自習室を出てから職員室までの間、私達はこれ以外ずっと無言だった。

その沈黙が、よけいに私のドキドキを刺激していた。




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