「…終わったぁ~」
「遅ぇよ、バカ」
「バっ!?」
相変わらず、成弥君の口は悪いです。
すっかり前の成弥に戻りました。
あの優しさは何だったんだろう…?
「でも、陽菜。
あんた本当に遅いよ」
「…て、丁寧って言って欲しいなぁ…」
「いや、そこまで丁寧じゃないでしょ」
「……………」
自習室の机に山積みになった資料の束。
たしかに…
私は雑だし、遅かった。
…でも!!
「なんで手伝ってくれなかったの~!!」
そう、栞を含めて彼らは、私のクラスまるごと私に任せてきた。
「週番は自分のクラスやるもんでしょ?
私達は手伝いだから、その他のクラスをやってあげたのよ」
「……………」
まぁ、成弥も一人で自分のクラスをやってましたよ?
でも、器用だし、丁寧に、かつ早く終わってたじゃん!!
私が頑張ってやってるとき、4人は雑談してたもんねー…
みんな手伝ってよ!!
「終わったなら、早く出しに行くぞ」
「…はい」
成弥に言われて、文句を言うのをやめた。
仕方ない…
予定より遅いけど、できるだけ早く帰ろ…
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