「成弥、遅い~」

「そうだよ~…あれれ?」

「桜木ちゃん!?」



自習室に入るなり、3人が声を出した。



「ちょっと、高峰!!
私の存在は!?」

「げ…なんでいるんだよ…」

「高峰っ!!」



今朝と同様の光景が繰り返された。

賢君と廉君は、それを楽しそうに見学していた。



「恭平、深川に何かしたの?」

「してない…と思う」



私の隣で、成弥は呆れていた。



「さっさとやろーぜ」

「成弥、僕達はさ」

「陽菜ちゃんの手伝うよ~」

「ふざけんなよ、双子」

「「……………」」



成弥君っ

その目恐いです、恐すぎます!!


賢君と廉君は固まったまま、成弥から紙の束を受け取っていた。



「栞、やろうよ~
恭平君かわいそう…」

「桜木ちゃーん…」

「高峰がかわいそう?
陽菜はコイツに甘すぎなんだよ!!」



あぁ…っ

恭平君泣きそうだよ…



「栞ぃっ」

「はいはい。
分かりましたぁ~
じゃあ、早く終わらせよ」

「うんっ!!」



このあと、私達の地味な作業は、約1時間も続いた。



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