「…迷惑なんすけどー?
うちの営業妨害するの、どこのクラス……って、桜木ちゃん!?」
「きょ…恭平君っ!!」
「げ…高峰っ」
「やべー…
じゃ、じゃあまたね、陽菜ちゃん」
教室から出て来た恭平君を見て、すぐに周りにいた人達はいなくなった。
…良かった。
「桜木…ちゃん?」
「恭平君ありがとう!!」
「嘘ーっ!!
桜木ちゃん超似合う!!」
「…ありがと」
そんなことを言う恭平君だって…
甚平がすごく似合っている。
「あの…成弥いる?」
「成弥?
あー、まだ戻って来てないよ。
放送室の方だと思う」
「そっか…」
この人混みの中、放送室に行くのは…
辛いかも…
「あのっ
伝言頼んでもいい?」
「いいよ、任せて!」
「いつもの所で待ってるって…
お願いするね!」
「おーっ♪
って、桜木ちゃん午後から当番?」
「そうだよ!
じゃあ、恭平君お願いねっ」
「あっ、桜木ちゃ…」
私は、人混みに耐え切れなくて、すぐに7組から離れた。
恭平君が何か言いかけてた気もするけど…
私は人混みを逆らって、人気のない自習室に一人向かった。
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