そんな私を見た成弥も笑っている。
「岩ちゃん!
な…椿谷君も嬉しそうだよ?」
「なっ…
いや、桜木さんの気のせいじゃないですか?」
焦ってる、焦ってる♪
成弥のせいで笑ったんだ。
道連れにしてあげなきゃね?
「そうか、椿谷は良い奴だな。
桜木も見習えよ」
「だから、違い…」
「よし、椿谷はこれも頼むな!
二人ともがんばれよ」
「はぁーい♪
がんばろうね、椿谷君?」
「…そうだね」
ついに成弥が諦めた。
私達は、大量の紙の束と、ホチキスを受け取って職員室を出た。
「…ありえねぇ…」
教室に戻る途中、隣を歩く成弥が呟いた。
無人だから、成弥は偽っていなかった。
「私だって…
なんか倍増されたしさ」
「自業自得だろ?
俺を巻き込むなよ…」
「成弥がおかしくて笑っちゃったんだもん!
巻き込んで当然!」
「知らねぇよ!」
言い合っていたとき、ちょうど私の教室から栞が出て来た。
,