♪♪♪~♪♪~…


あ、電話だ…

携帯を開くと“栞”の名前。



「もしもーし」

『あ、陽菜?
浴衣買うの終わった?』

「おかげさまで♪」

『どうせ、色気のある浴衣探してもらったんでしょー?』

「………っ!!!」



まさかの図星…っ



『分かりやすっ!!
陽菜は素直な子だねぇー♪』



ち…違う!!

そんなんじゃない!!


これは…

その、恭平君達にぎゃふんと言わせるためって言うか…

ほらっ、九条君に見られるならもう少しちゃんとした方が…

少なくとも高校生には見えるように…っ



…でも。

やっぱり一番見て欲しいのは…

成弥なんだ…



『陽菜?
…聞いてるー?』

「あっ、うん!!
なんだっけ!?」

『…聞いてないじゃん』



携帯からは、栞のため息が聞こえた。



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