「おー、桜木やっと来たか」

「ゔ…岩ちゃん…」



担任こと、通称:岩ちゃんが、職員室から顔を出した。



「なんだ、その嫌そうな顔は?」

「嫌ですよ…」



嫌に決まってる…

呼び出しされて喜ぶバカがどこにいる!!



「おっ、椿谷も来たか」

「はい」



ニコニコと笑顔で返事する成弥。


あなたはきっと呼び出しされても喜ぶバカだね…

私のすぐ隣にいましたね。



「桜木!!」

「はいぃ!!」



岩ちゃん…

明るくて良い人なんだけどね…

国語担当のくせに、体育系の人だからなぁ。


サバサバしてるとこが、生徒から人気を得ているのだと思う。



「これ、よろしくな♪」

「……へ?」



何重も束になっている紙の固まりを渡された。


ゔ…重い…



「うちのクラス分、頼んだぞ!
桜木は部活がないから時間あるだろう?」

「時間…ありませんっ」



先生のおっしゃることは、ごもっともですが!

私には、栞が待っているんです!!


私は必死に首を左右に振った。



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