「どうして一緒に行きたいと思ったの?」


口を紡ぐ。
アサトがいない間、家で過ごすのが嫌だとは言えなかった。

「おおよその見当はついてるけどね」


「何、顔を赤くしてんのよ!」


アサトの脇腹に拳を強く打った。


「あっ痛……」


少し強すぎたようだ。





じりじりと太陽が照り付ける中――
歩いて数分、トタン屋根の家をアサトが指を差す。
あれが彼の実家らしい。

スライド式の扉を開け、


「ただいま……」