3
ちさと side
「――そんな嬉しい顔をして、何かあったの?」
「――っ?!」
背後から男性のテノール声に肩を驚く。 月が高く見えるほど夜も遅い上に、変質者かと勘違いしてしまうところだった。
「そんなに驚かすつもりじゃなかったんだけどなぁ」
「遠川さん……」
「名前、覚えていてくれたんだ。うれしいよ。ちょうどお店から出てきたのが見えたから、声をかけたんだ。帰るところなんだろ?送るよ」
「必要ありません!」
ちさと side
「――そんな嬉しい顔をして、何かあったの?」
「――っ?!」
背後から男性のテノール声に肩を驚く。 月が高く見えるほど夜も遅い上に、変質者かと勘違いしてしまうところだった。
「そんなに驚かすつもりじゃなかったんだけどなぁ」
「遠川さん……」
「名前、覚えていてくれたんだ。うれしいよ。ちょうどお店から出てきたのが見えたから、声をかけたんだ。帰るところなんだろ?送るよ」
「必要ありません!」