「仲根さん……?」 私の顔を不安げに覗き込む上村ちさと。 目の前の窓に映し出されるあの皮肉な現場。 拳が震える。 「私には兄がいたの。体が弱くて、4年前に亡くなってしまったけど……二人とも愛し合ってたの」 「それって、ゲイってこと?」 「私はそれが許せなかった。裏切られた気持ちになって……兄さんが亡くなった時から、私はその人を怨むようになった」 ――タイミングよく昼休憩終了を告げるチャイムが鳴った。