俺は、親父たちの前で、本心の
苛立ちと葛藤しながら、話した。
「本心は俺も退学処分にして
ほしい。いや、それ以上の償い
をあいつには求めるよ。心和の
前に二度と現れる事が出来ない
くらいな・・・。
でも、でもここであいつを退学
にしたら、心和が逆恨みされて
また何か嫌な目に遭うかもしれ
ない。そのくらいする奴だよ。
あいつは。
俺が守ってやるって誓っておき
ながら今回だってこんな目に。」
あいつが、馬乗りになっていた
光景が頭に浮かぶ。
どこに向けていいのかわからない
苛立ちで体が震える。
心和の前では泣きたくないのに
視界がぼやけていくんだ。
そんな俺をそっと背中から心和が
抱きしめてくれる。
暖かくて、恨みや憎しみなんかが
溶けていくようだた。
結局、俺が起こした暴力を
他言しない事を条件に向こうの
両親とも話しあって、転校扱いで
あの男は学園を去って行った。