彼方は、平然と玄関を出る。

わたしは、キョロキョロと左右
を確認する。


 「心和。何してるの?いつも
お前俺の家に迎えに来てたんだ
から堂々としてても大丈夫だよ。
っていうか、そっちの方が怪し
いし。」


あっそうだ。

だっておじ様、お義父さん??
があんなに釘をさすから、
ついつい。


 「行くよ。」

彼方からわたしの右側に寄り添って
くれる。

今まではあんなに嫌がったのに。
わたしが、無理やり彼方の左手
にしがみついてたのに。

何もかもが新鮮な朝。

いつもの通学路もなんか
違って見えたんだ。