愛し合うふたりをやっと神様
が祝福してくれたようだった。

親父が、離婚届を隠し持って
いてくれたんだ。

俺と心和の目の前でそれは、
破られていく。

心和の涙で滲んだサインも
俺のサインも雪のように細かく
破られ、空中に舞ったんだ。

それは本当に雪が降っている
ようだった。


その日、俺たちは幸せで、嬉し
くて泣きやむこと出来なかった。

もう、この幸せを二度と離さない
と心に誓ったんだ。