「今から話す事は、絶対に
学園内部の者にばれてはいけな
い。わかってもらえるかな。」

 「わかった。」
おやじさんが即答する。

親父がそれを確認すると、俺を
厳しい目でみつめた。
返事をせかしてるつもりらしい。

 「あぁわかったよ。」
俺は、目線をそらしながら返事をした。


 「わしの考えとしては、光田
には、学園の教員をお願い
したい。前々から、声はかけては
いた事なんだが、塾の生徒を途中で
放り出せないという光田の意思を
尊重してきた。
なかなか良い返事をもらえないまま
だったが、今回は良い返事をもらえ
るよな。」


 「こっちからお願いに
あがろうかどうか迷っていたとこ
ろだったんだ。よろしく頼むよ。」

親父さんが、席を立ち上がり親父に
一礼する。
俺としては、その後が気になるんだ。

親父が出した条件。


 「そこで、これを期に前々から、
相談してた、心和ちゃんを彼方の嫁
にって話しを進めてもいいだろうか?」


 「今朝、彼方君に急に、心和と
の結婚の事尋ねられまして、もし
かしたらと思ってたよ。」


 「すまない。予定では、卒業
後にと思っていたんだが、いい
機会だと思ってな。彼方も納得
していることだし。そうだな。彼方。」

納得=学園を継ぐ。

心和とのことはそれが条件だからな。

 「あぁ。承知してるよ。」


俺は、夢を諦めた。