心和の声が聞こえて、身を乗り
出した。
心和が話してる相手を見て、俺
は再び身を潜めたんだ。
悪い事してる訳でもないのに。
一度は心和が断った相手。
俺に心和の事を、好きだと宣言
したあいつが今心和と一緒に
いる。
俺は、さっきまでの浮かれ気分
がスーと冷めていく。
俺は、一歩心和に近付いたんだ。
俺は、この場で心和をあいつから
奪い去るつもりだったんだ。
でも、その瞬間、あいつが心和を
抱き寄せたんだ。
抵抗する事もなく抱きしめられてる
心和に俺は、遅すぎた事を悟ったんだ。
「心和・・・。」
俺の口からぽつりとつぶやいた君
の名は夜空にそっと消えていったんだ。