「来ると思ったわ。」

生徒会室の前あなたは、切なそ
うにほほ笑む。

 「どういうことですか?」

 「そこに書かれてる事は真実
よ。わたしが新聞部に頼んで書
いてもらったの。」

 「彼方は?お腹の子は?」

 「やっぱり何も聞いてないの
ね。今朝もあなた達別々に登校
してきてたから、もしかしたら
って思ってたの。」

彼女が、生徒会室にわたしを
案内する。

誰にも聞かれたくないのか
カギがガチャと音を立てて
閉められた。

 「聞くって?」

 「結城君には、昨日全てを
話したわ。彼、許すって言って
くれたの。急いで走って行った
からてっきりあなたの所に話し
に行ったのかと思っていたのに。」

 「何を言ってるんですか?」

 「わたしは、その新聞に書かれてる
ように、卒業したらその相手と結婚
するの。」

 「でも、この相手って。」

 「そう。あなたにとっては憎い
相手でしょうね。でも、全てわたし
が仕組んだ事なの。」

 「何で何でですか?」

 「あなた達が魅かれあってる事に
わたしが気付いてないと思ってた?
わたしは、必死だったわ。結城君に
嫌われないように。それなのに、
結城君はわたしを捨ててあなたを
選んだ。許せなかったの!!」

 「だからってあんな事していいはず
ない!!」

 「だから、後悔もしたわ。後悔した分
やっぱりあなた達の幸せが羨ましかった。
憎かったの。」

 「そんなのふざけてる。お腹の子の父親
だって彼方じゃないんですね。
この人の子なんですね。」

 「そうよ。わたしは結城君を利用して
結城君の優しさを求めたの。」

 「そんなのそんなの酷過ぎる!!」

 「そうなのわかってる。わたしは
和哉を信じられなかったの。
だから・・・。」

彼女が泣きだしたんだ。