「心和、Wデートしよう。」
教室に入るなり留衣が遊園地の
チケットをカバンから取り出した。

 「Wデート?」

 「そう。Wデート。」

 「誰と誰が?」

 「わたしと心和に、近藤君に
桜井君。」

 「なんで。 それってどう
考えてもわたしと桜井君じゃん。」

 「たまにはいいでしょ。心和は
ずっと先輩一筋だったんだもん。
ここらへんで、息抜きしよ。ねっ。
決まり!!」

 「ちょちょっと。」

留衣が近藤君のところに駆けていく。

留衣の気持ちは、ありがたい。

わたしが彼方の事で落ち込んでるって
わかってるから。

でもね。桜井君ってちょっぴり苦手
なんだ。