ひとりで通う通学路。
こんなに遠かったっけって、
思ってしまう。
ふたりの時は、見る物全てが
輝いていたから。
ひとりで見る景色も、風景も
わたしには、寂しく色あせて
見える。
早く慣れてしまわなければ。
もう、彼方はわたしの右側に
はいないんだから。
「おはよう!!」
わたしのテンションとは大違い。
留衣のテンションは上がりっ
ぱなし。
彼方と登校しないわたしを見て
一時、学園は騒然としたんだ。
その上、副会長との復縁が話題に。
シスコン卒業!!って
騒がれた。
その時も、留衣はそばにいて
わたしを支えてくれたんだ。
彼方への想いを知っていたのも
留衣だけだった。
だから余計にわたしの前では、
明るく振る舞ってくれるんだと
思う。
わたし、留衣に救われてるよ。