心和が、泣きながら家に飛び込ん
で来たときは正直ビックリしたよ。
小さい頃を思いだしたんだ。
あの頃は、よく心和は泣いてた。
泣き虫のわりに、負けず嫌いで
そんな心和はいつも近所の悪ガキ
にいじめられてた。
泣きながら、俺を探すのが日課
になってたね。
そんな毎日が、懐かしく思える
ほど君は泣かなくなってたから。
だから、心和の泣き顔を久々に
見て、戸惑ってしまった。
俺は、あの頃のように泣き喚く
心和の頭を撫でて話しを聞いた
んだ。
俺は、てっきり親友の留衣ちゃん
とでもケンカしたんだろうって
思ってた。
でも、話しはもっと深刻で、
俺は内心焦ってたよ。
俺の目の前から心和が居なくなる
なんて絶対にありえない。
あってはいけないことだから。