物心ついた時から俺の左手は
小さな手と繋がっていた。
俺を頼りきってるその手を俺
は愛おしく思っていた。
ひとりっ子の俺にとってその子
は、妹のような存在。
俺が守っていくって思ってた。
それは、小さな時君に誓ったあ
の日から変わっていない。
心和、君は憶えているんだろうか?
幼すぎるきみと約束したあの
誓いを・・・。
心和は、今も俺の左側にいてくれる。
だから、俺はそんな心和に甘えて
いたのかもしれないなぁ。
俺が何しても心和はそばにいて
くれるってそれが当たり前って
思っていたんだ。
だから、心和が居なくなるなんて
考えた事なかったんだ。
だから俺は焦ったよ。
どうしても君を失いたくなかったんだ。
これまで大切に守り抜いてきた、
幼なじみっていう関係を壊しても。
君が、NOと言えない状況を作って。
俺は欲しいものは手に入れる。
君はしらないだろうね。
こんな俺を。
俺はかなりズルイ男なんだ。