正式に籍をいれた事で、どこか
にくすぶってた不安が消えていく。


ふたりでソファーに腰掛けて
ずっと見たかったホラー映画
を鑑賞している。

でも、わたしは見たいのに
怖がりで、肝心の恐怖のシーン
は、彼方にしがみついて目を
閉じるんだ。

 「そんなに怖いなら見なければ
いいのに。」

毎回言われる同じセリフ。

 「見たいんだもん。」

 「見て無いじゃん。俺ちょっと
トイレ。」

 「イヤー。置いていかないで。」

 「本当、心和にはまいるよ。」

こんなやり取りを今までに何回
してきただろうね。

もう、ずっと一緒にいるのが当た
り前だったから。