【婚姻届】

その紙にはそう書かれてて。

彼方と結婚することは、承知
してたし、理解できてた。

でもそれが、具体的にいつか
なんて話し出てなくて。

日々のバタバタの中で、延び延
びになっていたのかもしれない。


 「結婚してくれるよな。心和。」

彼方が真剣に問いかける。

 「はい。」

わたしは、それ以上の言葉を見つけ
ることが出来なかった。


 「おめでとう!!!!」

一斉に湧きあがる歓喜の叫び。

拍手の音。

わたし達は幸せだったね。

みんなに祝福されて。

そして、ふたりでサインしたんだ。

幸せになれる事を信じて。


わたし、正式に彼方の奥さん
になりました。