家まで送って行くと 急に愛美が黙り込む

訳を聞くと

「こうして星哉くんと居るなんて夢みたい」

と言う・・・

「はぁ???お前 かわいいこと言うなぁ〜」

素直に言葉に出た

そんな愛美が愛おしく思えた
気がつくと愛美を抱きしめてキスをしてた

このまま このムードなら目標達成出来るハズ!

だけど 行動に移せなかった!

ファミレスで家庭の事情を話してて オレがちょっと優しく扱っただけで 涙を流すんだから

無理矢理やって悲しめたくなかった

そう!焦らなくてもまだまだ日にちはあるじゃないか!!
星哉くんと付き合い始めて二週間目に入った

今日も星哉くんファンが目の前を立ち塞がる

「ちょっと 顔貸してくれない?」

と 3人組に拉致られた

いつもなら沙穂がいるのに 今日に限ってあたし一人

「離してください」

「あんた うるさい!静かにして」

連れて行かれたところは講堂の裏

待ってたのは

前 星哉くんと仲良さそうに寄り添ってた人

和恵と言う名前だ

「あんたね!星哉とどう言う関係?」

と 聞いてくる
「恋人です!」

「こ・恋人ですってぇー!妄想もいい加減にしなさいよ」

「だって星哉くんの方から付き合ってって言われたから」

「何かの間違いでしょ!あまり星哉の周りをチョロチョロしないで!」

そう言うとあたしのお腹をグーでパンチしていなくなった
何かの間違いって・・・

ホントに星哉くんの方から付き合ってって言ってきたんだよ!

あたしだって 今だに信じられないもの


和恵さんと星哉くんの仲はなんなんだろう・・・

そう思いながら自分の科へと帰った
「愛美!どこ行ってたのよ!」

「拉致られてた」

「はぁ???拉致?」

「無事生還」

と 敬礼のポーズを取る

状況説明すると沙穂はすごく心配な様子

「武田先輩にいいなよ」

「迷惑かけるからいいよ ほら!無事だし」

と 言いつつ お腹は痛かった
最近 よく 廊下ですれ違い間際に

「チェ」

「この子が?」

「たいしたことないわね」

と 言われるようになった

それはまだまだ可愛いものだ

みんな勘違いしてる

あたしが星哉くんに言い寄って星哉くんの弱みを握り無理矢理に付き合わせてる

なんて想像豊かだ

笑っちゃう
確かにそう見えるのかもしれないけど 向こうから言ってきたのよ!

信じられないでしょうけど・・・

あたしは無視して次の講義に向かう

席に着いて かばんから書類を出そうとすると

・・・ない・・・

たしか入れたはず!

おかしい・・・