あたしがTELする前に星哉くんの方からかかってきた

「お前 今誰と居るの?」

「今?一人だよ」

「悠斗ってヤツは?」

「さっき学校へ逆戻りしたよ・・・駅まで送って貰ったんだ」

「なんで?」

「なんでって 体調が悪くて みんなが送って貰えって」

「別に悠斗に送ってもらわなくても オレに言えばいいのにさ!」

「あ・・・・・」
「あぁって その反応はオレの存在を忘れてた!ってことだよな!」

「そんなことないよ・・・ただ今日は忙しいかと・・・思って」

「ふーん 都合のいい 言い訳だな」

「・・・・・」

そんな言い方しなくていいじゃん!誰のせいで悩んでると思ってんの!星哉くんのおばあさんだよ!!!

「まぁーいいわ!今晩も来なくていい!じゃあな」

一方的に切られた
やっぱり高嶺の花と付き合うなんて無理なことなんだよ・・・

星哉くんだって あたしに告ってきたのは 何かの間違いなんだよ

きっとそうなんだ

おばあさんだって 【身分が違う】と言ってたんだし・・・



今日は親父が半月ぶりに帰ってくる

だからお袋は「お食事会をしよう!」と言う そして

「この前の彼女さん呼んだら」

って・・・

なんか付き合ったきっかけが曖昧だったから

そこで正式に付き合い始めたらいいかな なんて 思ったりして・・・

でも・・・

サークルに迎えに行くと 愛美の姿がない!

沙穂ってヤツに聞いたら

「調子が悪くて早退した」

って それも

一番嫌なヤツ

一番ムカつくヤツ

に送ってもらったって!

なんでオレを呼ばなかったか!


すぐにTELをする

もう一人らしい

オレの存在なんてないのか!

尋ねると

「今日は忙しいかと思って」

と言う

「ふーん 都合のいい 言い訳だな」

「・・・・・」

返事なし!

だんだんムカつく

「まぁーいいわ!今晩も来なくていい!じゃあな」

そう言ってTELを切った
【来なくていい】って・・・

行きたくても行かれないんだよ!

一人寂しい家でため息をつく

こんなに一人が寂しいなんて・・・


沙穂からTEL

「大丈夫?」

「うん」

「何があったのよ」

「・・・実は」

と 包み隠ず話した
「くそばばぁ!!!あんた頑張りなさいよ!そのばばぁ〜の可愛い孫があんたを気に入ってるんだから そんなの無視無視!」

「でも・・・権利あるっぽいのよ!」

「片親だからって何よ!あんたには立派な父親も離れてるけどいるじゃん!」

「父のことは言わないで もう違う道歩んでる人だから」

「でも・・・」

「頑張れるまで頑張るから!」


そう・・・あたしには父親と兄が離れて暮らしてる

でも父親はもう再婚して違う人生歩んでる

あたしは年に一度だけ誕生日に二人に会うのだ

まるで七夕さま

まっ!雨でも会えるから七夕さまよりマシか・・・

だからもう他人みたいなもの