「あー!!!」

「どうした?」

「いえ なんでもないです 失礼します」

頭を深々と下げた

「何だよ・・・お前!」

「バイトが・・・」

「はぁ?バイト?」

「Nanaで!でも もう遅刻寸前なんで・・・」


Nanaとはケーキ屋の名前
「遅刻寸前って 何時から?」

「15時です」

「15時って 後18分だぜ」

「はい!だから急いでるんです」

「安全運転しろよ 捕まるぞ」

「車じゃないんで!」

「はぁ?間に合うのか?」

「ヤバイかも知れませんね」

そう言って武田先輩と別れた
またそれから走る

抜け道・早道をして一分前 無事到着

お店へ入り 一安心

・・・そーいえば あたし

武田先輩と始めて話したんだ

一人ニヤニヤする

二度と話すことなんてないかもしれない

そのときは そう思ってた
昨日は最高の運勢だったな・・・

あの高嶺の花【武田先輩】と話せるなんて

あっ!!!

沙穂に報告しなくちゃ☆″

羨ましがるだろうなぁ〜


「沙穂沙穂・・・昨日さぁ」

と 言いかけたところ

廊下の端に見えるのは

武田先輩!
「昨日が何よ!」

そんな沙穂の言葉なんて聞こえない

だんだん先輩が近くなって来た
昨日のこと 謝らなくては・・・
ドキドキ緊張感が高まる

なのに先輩はスルー

あっ!やっぱりか・・・

あたしは存在感0なんだ
その時すれ違い間際に

「あ!もしかして昨日の?」

と 振り返った

「昨日はすみませんでした 慌ててたので」

「それでバイト間に合ったの?」

「はい!ギリギリ一分前到着です」

「アハハ 危険な行動だね 気をつけないと」

「はい・・・すみません(-.-;)」
武田先輩はそれを言うと去って行った

「ちょおーと!!!愛美 何よ 今の!」

「昨日さ・・・」

と沙穂と別れてからのことを話した

「いいなぁ〜!ぶつかって顔を覚えて貰って 一歩抜け出したわね」

「でも 緊張したんだよ」

沙穂の言うように

顔だけでも覚えてもらって良かった
武田先輩は彼女いないのかな?
前に綺麗な女の人と仲良さそうに歩いてるのを見たことあるけど 彼女なのかな?

まぁ・・・そりゃー 居て
当たり前だよね

整ってるもん!

あたしは別に彼女になりたいとか そんな大それた事は思ってない

ただサークル仲間の様に話せたらいいのに・・・

ただそれだけだ!
願いは叶って?!それから武田先輩とは すれ違ったりした時には

「よ!」

「こんにちは」

とかの会話?が出来るようになった


サークルに行って

「武田先輩が通ってさ・・・」

と 話してると

同期の悠斗や隆などが

「バカらしい!」

と 笑ってくる