「綾には悪いけど、俺がその彼と会ったんだ」


「…」


「俺は大人だから、ケンカとかはしないけどさ、とりあえず俺の方が綾に近い事だけは説明した」


なんて事を・・・・

健太が傷付いて帰る姿が目に浮かんで…心が痛かった。


「綾、俺今物凄くお前の事抱き締めたい俺のそばに綾がいる事確かめたい!」


いつも、冷静な早瀬さんが少し動揺していたのが分かった。

「怒ってるんじゃないんですか?」


「綾が、どこかへ飛んで行かなきゃね」


風船…て事?



健太から連絡が来る事はもう、なかった…。

車の運転もだいぶ上手になって、坂道発進も、半クラも出来るようになってた。

ある日を境に大本君が、会社に来なくなって、連絡も取れなくなった。


「今日も休みか…仲田何かあったのか?」


「それが、連絡が取れないんです…」

「そっかぁ…。」


「何日か前にお互いの友達と4人で遊ぶ約束してたんだけど」


「4人?綾…」


「違いますよ!大本君に私の友達を紹介するって事だったんです;」


「…まっ、そのうち何かしら連絡取れるだろ」


「だと、いいですけど…」


週末、家に電話がかかってきた。
電話に出たお母さんが、心配そうに


「板橋警察署からなんだけど…」