図書室は俺の逃げ場だった。
まぁ別に、誰から逃げてるってわけじゃないけど...。
教室にいれば、俺の悪いウワサがあることないこと耳に入ってくる。
そんな状況が嫌で、俺は人が少ない図書室にいるようになった。
4月になってしばらく経った頃、図書室に一人の女の子が来るようになった。
見た事ない顔だから、多分一年だろう。
その子は、昼休みと放課後によく来る。
難しそうな小説を読んでいたり、たまに気持ちよさそうに寝てたりもする。
ほぼ毎日のように見るから、自然と顔を覚えてしまった。
そんなある時、俺はその子の小さな笑い声を聞いた。
そしてその声に反応するように、俺は女の子に話しかけていた―――――――――。