――――――――――



「できたぁ!!」


「な、簡単だろ?」



自分でいくらやっても解けなかった問題が、先輩に教えてもらったら、簡単にできた。



それに、先輩の教え方がすごくわかりやすかった。

正直、先生よりもずっとわかりやすい...。



「先輩、教えてくれてありがとうございますっ」


笑顔でそう言うと、先輩は少し照れ臭そうに笑って、おうって言った。




ちょうどその時、昼休みが終わるチャイムが聞こえた。



「あっ、もう教室戻らないと...」


「なぁ、放課後もここ来る?」


「えっ...はい、多分来ます。」


「そっか...分かった。」



なんでそんな事聞いたんだろ?


不思議に思いながらも、教室にもどらなきゃって思って、プリントや筆箱を片付ける。



「あの、先輩!!勉強教えてくれて、ありがとうございました」



軽く頭を下げてそういうと、先輩はちょっとだけ笑って


「別にお礼言われるような事してないし、俺がやりたくて教えただけだから。」

そう言った。



「ホントにありがとうございました。じゃあ、私教室に戻りますね。」


「あぁ、じゃーな」




私が図書室を出ようとした時に、チラっと先輩を見たら、教室に戻る様子はなかった。