「ねぇ、それ何やってんの?」


先輩が、机のプリントを指さして言った。


「あ、これは先生からもらった課題で、放課後までにやらなきゃダメなんです。」



「ふーん...そうなんだ。」




そう言うと、先輩は立ち上がり、私の隣に座った。


すごく距離が近くなって、胸がドキってした。




「あの...先輩?」

「俺が教えてあげる」


「えっ?先輩が教えてくれるんですか?」

「なんだよ、俺が勉強できないって思ってんのか?」


「いっ、いえ!!そんな事ないですっ」

でも、先輩っていつも寝てるイメージしかなかったから...



「まぁいいや、じゃあわかんない所あったら言って。」


「えーと...ここの問3がわかんないです。」


私がそう言うと、先輩は少し黙りこんで、よしっと言って、紙に何か書きはじめた。


「この問題は、この公式をつかうから...」



先輩が教えてくれる通りに問題を解いていく。