「吉原...俺は今席に着けといったよな...?」

「あっ...あの、教科書を忘れちゃて..それで、借りに行こうと思って...」


私を見る山田先生の目が、あまりにも恐すぎて、言葉が上手く出てこない。



「ほぅ...俺の授業で忘れ物か」

「すいませんっ!!次からは絶対忘れないように気をつけます!!」

慌てて謝り、頭を下げた。
少しの間、山田先生からは何も言葉が返って来なくて、私が頭を上げると、先生が口を開いた。




「まぁ、その素直な態度はいい。...だが、忘れ物は良くないな...。吉原、授業が終わったら俺の所に来い。」


「は、はいっ...」


思っていたより、怒られなかった事に少しホッとして、席に着く。