急いで他のクラスに借りに行こう!...と思い、席を立った瞬間。
ガラッ
「おらぁ!!立ってる奴さっさと席戻れ!!」
その声で、教室が一瞬で静まりかえる。
耳の痛くなるような怒鳴り声と共に教室に入ってきたのは、
数学の山田先生。
一年の学年主任で、生徒の間では、ひそかに鬼教師と呼ばれている。
ヤバいと思いバレないように、静かに席に着こうと思った時...
ガチャンッ!!
「あっ...!!」
机においていた筆箱と電卓を落としてしまった。
静まりかえっている教室に大きな音が響く。
その音に反応して、クラスの人達が一斉に私に注目する。
そして、当然のように山田先生の目も私に向く...。