「何なの!?
 いい加減にしてよ!」

「怒んないで下さいよー」



悪気のないような笑顔。
ううん、絶対ない。

最低・・・。



「もうあたしに、
 関わらないで・・・」

「無理っすよ。
 姉貴の命令なんで」

「は?」

「姉貴には逆らえなくて」



何なの?

それはつまり、
あたしのことは、
元々興味がない?

なのに命令だから、
あたしに近付いたの?

・・・許せない。



「もういい。呆れた」



こいつの姉貴、
一発殴っとくか。



「また話しましょ♪
 さよなら、海翔先輩」



耳障りな声。
本当に嫌い。

教室に入ると同時に、
ある人の名前を呼んだ。



「宝田 美影。って?」

「私だけど?」



・・・やっぱり。
この間の。

こいつ殺したい。



「自分の弟使って、
 あんた楽しいわけ?」

「楽しいけど?
 千晴は可愛いし」

「一発、殴るよ?」

「ちょっとやめてよ。
 千晴、なんか言った?」



目元が似てて、
なんかイライラした。

まだあいつと
話してる様で。