―――月曜日



「かーいっ、起きろー!」

「奏・・・兄」

「めっずらしいな~。
 お前がまだ寝てるなんて」

「今、何時?」



また奏兄に起こされた。
ってか・・・、
奏兄超元気だし。



「もうすぐ7時45分」

「・・・えっ!?」

「俺もう出るぞ?」

「うっそ・・・。
 完全遅刻だーっ!!」



久しぶりに、
部屋で叫んだ気がする。

・・・って。

今はどうでもいいよ。



「ったく・・・。
 チャリ乗ってくか?」

「いいの?」

「うん。いーの。
 俺今日はサボるから」

「じゃあ急ぐね」



奏兄・・・。
なんか、優しくなった。

あたしの髪を撫でて、
微笑みながら部屋を出た。



「さ、着替えなきゃ」



制服に着替えて、
久々に髪を巻いた。

先輩が、
後ろ姿で
あたしだって、
分からないように。