「もう昼。食べよ。
 奏翔もだいぶ良くなったし」

「うん」



リビングのソファで、
奏兄が寝転がってた。

テーブルには、
3人分のホットケーキ。



「お兄、あのさ」

「んー?」

「さすがにさ・・・。
 こんなに食べれないよ」



お皿に5枚のホットケーキ。

お腹すいてないし、
すいてたとしても
こんなには食べれない。



「2枚は食べれる?」

「微妙かな・・・」

「何、食欲ねーの?」

「うーん・・・。
 大丈夫。いただきます」



風邪とか、
ぶり返してないよね。

あたし別に、
そんなに
体弱くないし。



「ごちそーさん」

「おー奏翔。食ったな」

「美味かった。海翔、
 お前もう食わねーの?」

「ん。もういいや」



先輩―――・・・。

駄目だ。
想い出したら止まらない。

・・・でも。

あたしはもう、
先輩には会わない。

会うと絶対、
泣きそうになる。

先輩のことは、
諦めた方がいいのかな。

先輩にも、ちゃんと
好きな人がいるんだし。
あたしは・・・、
先輩の幸せを願うよ。