「だいじょーぶ?」



助けてくれた
先輩が顔を覗き込む。

あたしは軽く睨んだ。



「可愛いね。
 キスしていい?」



・・・は??
意味分かんない。
頭どうかしてる。



「聖生!!」

「んぁ、歩夢」




玄関から
出て来たのは
矢崎先輩。

もしかして。
これが
矢崎先輩の
・・・幼なじみ?



「俺ば置いてくな」

「悪ぃ」

「碧、海翔、
 俺の幼なじみ」

「辻宮 聖生、
 よろしくね??」



辻宮 聖生(ツジミヤ コウキ)
・・・大嫌いな人種。



「聖生は軽いけど、
 根はいい奴だから」



男って嫌いだけど、
軽い人ってもっと嫌い。



「あたし、
 猪狩 碧です!」

「元気だね~。
 で、そっちの子は?」



みんなして、
あたしの方を見る。



「海ちん!」

「・・・。
 新垣 海翔」



第一印象は最悪。
こんな出会い方。
だけどこれが、
あたしと
聖生との
“出会い”なんだ。