「海翔、俺食べていい?」

「あ、うん」

「じゃあいただきます」



卵焼きとお味噌汁。

さっきの朝ご飯と
全く同じメニュー。



「海翔」

「ん?・・・あ。
 美味しくなかった?」

「いや、美味い。
 ちょっと聞いていい?」

「うん」



食べる手を止めて、
あたしの目を見て言った。



「本当のこと言ってな。
 碧以外にも、泊まった?」

「え・・・」

「怒らないから言って」

「・・・碧の彼氏。
 矢崎 歩夢先輩が・・・」



聖生先輩は、
泊まってないよね?

途中で帰ったし。



「そっか」



お兄はそれだけ言って、
また卵焼きを食べ始めた。

うぅ・・・。

怒ってるじゃんか・・・。



「ごめんー・・・」

「碧の彼氏なら良いけど。
 自分の泊めたら許さないよ?」

「え?・・・自分?」

「辻宮、だっけ」



ドキ...

聖生先輩・・・。

お兄、もしかして
この前の電話で・・・。

先輩は、別に
彼氏じゃないのに。