あたしは、
これが初恋だから、
よく分からないんだ。

他の子と
同じなんだって
そう、思っちゃうんだ。

でも違うんだよね。
そのことに
あたしが
気付くのは、まだ
先のことだった―――



「ん・・・」



いつの間にか、
ベッドで寝ていた。

昨日、
あのまま・・・。



「7時か」



お兄達、
帰って来ちゃうし。

碧達起こそう。



「碧、みどー」

「ん~・・・っ、
 なぁに、もう朝ぁ?」

「7時だよ。起きなよ」

「ふぁ~い・・・」



碧はいいとして。
矢崎先輩は、
あたしは起こせないや。



「碧、矢崎先輩
 起こしてあげて」

「はーい。歩夢~っ」



あたしは布団を片付ける。

聖生先輩の布団は、
少し、先輩の匂いがした。



「碧・・・」



矢崎先輩は
体を起したものの
まだ若干寝ぼけてる。



「朝だよ~?」

「ん・・・。
 キスしてい・・・?」



あたしの目の前で、
先輩は碧にキスをした。