「・・・海翔?」



聖生先輩の声が、
お風呂場の外から聞こえた。



「え・・・」

「話したいんだ」

「・・・後でいい?」

「今じゃ、駄目?」



別に良かった。

ただ今は、
整理がついてない
っていうか・・・。



「ごめんね」

「分かった。
 あとで話そう」



先輩が、去って
行くのが分かった。



「はぁ・・・」



ため息をついて、
お風呂場から出た。



髪乾かさなきゃ。
部屋に行って、
丁寧に髪を乾かした。

8時か・・・。

ベッドに座って、
ただただボーっとしてた。



「かーいとっ」

「・・・え?」



いつの間にか、
目の前に碧がいた。



「みんなで
 トランプやろ?」

「・・・うん」



トランプ、ね。

部屋を出て、
リビングに行った。

そこにはもう、
4人分の
トランプが
配られていた。