「「でーきたっ♪」」



2人の声が重なった。
我ながら、上出来かも。

6時半。夕飯には
丁度いい時間かな。

4人分のシチューを
テーブルに置いた。



「美味そー。
 いただきま~す」

「いただきます」



矢崎先輩の元気な声。

その裏腹に、
聖生先輩の声は小さい。



「いただっきまぁ~す♪」

「いただきます」



熱々のシチュー。
上出来だった。
味は最高だし。



「超美味い。
 なぁ?聖生」

「ん」

「聖生の奴、
 シチュー好きなんだ」

「そうなんだぁ♪
 作ってよかったね」



碧があたしに問いかける。

今のあたしは、
素直に頷けない。

ただ、小さく笑うだけ。